ワインCA - カリフォルニア料理とワイン情報。カリフォルニアのワイン生産地から白ワインと赤ワイン、ワインと料理、チーズとの相性まで。  

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- カリフォルニア料理 -

註:1999年に書いた文章なの店の名前などで多少情報が古いです。

1:はじまり
日本でもテレビ番組の影響などでジャンルの枠をこえた新しい創作料理が話題になっていますが、その本家本元と言いますか、クリエイティブな料理で世界的に有名なのが、ここロスアンゼルスです。自由の国アメリカ、中でも常に新しいムーブメントの中心地である南カリフォルニア、その象徴であるロスアンゼルスで生まれたカリフォルニアクイジーン。多くの人種と文化を抱えたこの街から、各国の素材と調理法を駆使し、よりおいしい、ヘルシーな、見た目も美しく、そしてなによりも新しくてヒップな料理。

歴史をたどると60年代、70年代を通して、サンフランシスコ周辺、バークレーに代表される北カリフォルニアのアカデミックな、生き方としての自然指向、環境保護ブームの強い影響下にあった少数のシェフ達が、自分達の住んでいる土地を生かしたオリジナル料理を作ろうと言う意識的なムーブメントを起こしたのがはじまり。彼らは豊かなカリフォルニアの土地でとれる豊かな素材を使い、人種の坩堝であるカリフォルニアらしい、様々な料理をミックスした独自の料理を作ろうとしました。何人かのシェフ達によって、現在のカリフォルニアン・クイジーン的な料理も作られてきましたが、まだまだグルメ(英語ではグルイと言う)な人々も少なかった当時、一つのブームを作り出すまでにはいたりませんでした。

2:グルメ革命?
80年代にはいると、カリフォルニア・クイジーン流行の発端とも言えるレストランが誕生します。そしてその新しい波は、試行錯誤していた北カリフォルニアではなく、ロスアンゼルスからだったのです。シェフ・オーナーのWolfgang Puck(ウォルフガング・パック)氏によって開かれたSPAGO(スパーゴ)は、そろそろあきられてきたイタリアンにフレンチのテイストをミックスさせ、独自の発想を加えたカリフォルニア・イタリア料理を創出、SPAGOは新しもの好きのマスコミ業界の人間やグルメ達をひきつけ、一躍LAを代表するレストランに成長しました。Puck氏は、その後もシノワ・オン・メインで中華とカリフォルニア料理を合体させ、シノワも大ヒット、LAを代表するシェフになりました。さらに海と魚をモチーフにしたGRANITAを日本では火事になるとおなじみのMalibuにつくり、ここも大人気です。SPAGOによって開かれた新地中海料理、イタリア料理を歌った料理店は次々にオープンし、これらのレストランを総括して、カリフォルニア料理と呼ぶようになりました。さてさて、これらの店の特徴としては、

●デザインも明るく現代的で、カリフォルニアのヘルシープラス最先端と言うイメージ。
●カリフォルニアのイメージそのもの。ヒップで、適度にカジュアル、適度にエレガントで、ヘルシーで、味だけでなくプレゼンテーションも気にする。他にはない新しいメニュー。
●新鮮な現地でとれた素材を使う。揚げ物が少なく、油を控えめにしたヘルシーさをうたっている。グリルしたり、スティーム、ベイクした物が中心。
●サラダ類、シーフード、チキン(特に、スキンレスの胸肉)のメニューが豊富。アジアミックス系で言うと特に、チャイニーズチキンサラダは代表メニューのひとつ。
●イタリアン、フレンチ系カリフォルニアン・レストランでは、パスタ、ピザ類がマストアイテム。メニューのバリエーションが豊富で、ユニークないままでになかったものが多い。
●値段は一人、$20ー50で、安くもないし、特別に高すぎる事もない。アッパーミドルクラスの、ヒップな、もしくはヒップな気分を味わいたい人が、一つの自分の生活スタイルとして取り込んでいける(上はSPAGO、下はカリフォルニア・ピザ・キッチンまでいろいろありますが)。
●エンターテイメント関係の客層が多いと言われる。イメージに重ねられているところが大きい? 正統派のフレンチ、高級イタリアンに比べると、値段の割に比較的カジュアルでもある。
●スターシェフと言われるオーナーシェフがいる。Wolfgang Puck氏以外にも、Abique, Joe'sのオーナーJohn Sedler氏, CitrusのオーナーMichael Richard氏(ここはデザートの美しさで特に名をはせており、彼は本名のMichael Richardと言う名前をそのままつけたケーキ屋もオープンさせている), Yujing Kang'sのオーナーYujing Kang氏(ここはコンテンポラリー中華ですが)など。
カリフォルニアで生まれた料理の傾向としては、

A:イタリアン・フレンチミックス系(SPAGO、Parkway Grill、BISTRO45)、

B:イタリアン / フレンチ / アジアンミックス系(シノワ、SHIRO)

の2種類があります。他にも微妙にアメリカ南部、メキシコのフレーバーを混ぜたものもあります(John Seddler氏のAbiqueや、The Original Sonora Cafeなど、しかしこれは一時ブームとなって、たくさんオープンしたそうですが、今では下火で多くがクローズしたそうです)。一般的にいってすべて、多国籍的な料理を総括して、カリフォルニア・クイジーンと呼ぶようですが、正確には、パスタ類がメインの前者をカリフォルニア・クイジーン、後者をPacific New Wave, パシフィック・ニュー・ウェーブと分けるようです。また、とにかくいろいろ混ぜ合わせた無国籍料理を、Eclectic, エクレクティック料理と呼ぶようです。これは要するに中心となる国籍の料理がなく他に呼び方がないからこう呼んでいるという感じです。ですから、この辺の区分けは曖昧なところもあります。例えば、有名なMATSUHISAなどは、Pacific New Waveでもありますが、Japaneseとするところもありますし、カリフォルニア料理とする人もいます。逆に言うと、ヨーロッパ系の料理をカリフォルニア風に発展させたカリフォルニア・クイジーンが、時代の流れと共に新たな変化を遂げてゆき、アシアン・フレーバーをミックスしていく中で、それがパシフィック・ニュー・ウェイブ料理として確立され、またエクレクテイック料理と呼ばなければならない料理も出てきたと言うことでしょうか。

3:新アメリカ料理?
この各国の料理をミックスして独自のアメリカ料理を作っていく動きは、過去に多くのアメリカ文化がここカリフォルニアから生まれていったように、New Yorkを始めアメリカ全土で(新しければよしとするカリフォルニアンと違い、以外に一般的アメリカ人はコンサバな部分もあるわけで、やはりその新しさ、奇抜さを許容できる都市部中心ですが)一つのムーブメントとしてあるわけです。それが、ハンバーガー、ホットドッグにピザと言った所詮ちゃんとした料理としては対象になっていなかった従来のアメリカ料理とは違った、新しい時代の新アメリカ料理として、確立されようとしているのかもしれません。そこで考えなければならないのが、どこまでがカリフォルニア・クイジーンなのかと言うことだと思います。実際のところ、はっきりとした区別はまだないわけで、今はカリフォルニア・クイジーンの強い影響を受けて、新アメリカ料理がエスタブリッシュされようとしている時期なのですと言う事もできると思います。カリフォルニア・クイジーンの特徴である現地でとれた新鮮な素材を使うと言うコンセプトを、多種多様な料理をミックスしていく事を、その土地その土地のシェフ達が、自分なりにアレンジして自分たちの、アメリカ人の料理をつくっていっているのです。



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